勝負法の乱取り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 18:09 UTC 版)
嘉納は柔道に柔術のもつ武術性を求めていたが、しかし勝負に効き目ある手(当身技)が危険であり教えることが難しいため、従来の柔術諸流派の修行法と同じ様に「専ら形に拠って練習」 しなければならぬとした。しかし形だけではなく、そこから先へと進めた、当て身を含む乱取りも工夫すべきという考えを嘉納は早くから持ち続けた。1889年の講演「柔道一班並二其教育上ノ価値」の中において、嘉納は当身を含み対処する柔道の「勝負法の乱取り」の可能性、構想について述べている。「初めから一種の約束を定めていき又打ったり突いたりする時は手袋の様なものをはめてすれば、勝負法の乱捕も随分できぬこともない。形ばかりでは真似事のやうで実地の練習はできないから、やはり一種の乱捕があったほうがよい。」とし勝負法の技を実演している。その際、勝負法の形のうちから簡単な技として5つほど、 対手が右の手で打ってくるのを捌き対処し腰で投げる。 対手が右の手で打ってくるのを捌き対処しその手先を捕り捩り対手を縛る。 対手が突いてくるのを捌き対処し対手が引いたのを入り込んで咽喉を絞める。 対手が横から打ってくるのを捌き対処し咽喉を絞めるなり急所に当てなりする。 対手が蹴ってくるのを足先を捕り捌き対処し投げる。または固める。 を実演し、またその上に種々込み入った手があり大抵の場合に応ずることを目的とするものであることを説明する。
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