東京・神戸・大阪三高商の成立
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「高等商業学校」の記事における「東京・神戸・大阪三高商の成立」の解説
高等商業学校の修業年限は、先発の東京高等商業学校、神戸高等商業学校の2校のみが例外的に4年制(予科1年・本科3年)をとり、その後設立された官立高商と市立大阪高商以降の公私立の高商はすべて3年制であった。 東京高商はこの3年制本科に加え、これに接続する2年制の専攻部を設置、神戸高商卒業生も受け入れた。このため予科1年・本科3年・専攻部2年の計6年が旧制高校3年・帝国大学3年の計6年に匹敵するとみなされ、専攻部卒業生にはすでに学士の称号が授与されていた(1915年になると同校は3年制官立高商の卒業生にも門戸を拡げて本科3年生として編入(この点神戸高商卒業生と異なる)、さらに1917年には大阪高商卒業生の受け入れも開始した)。1909年には文部省がこの高商専攻部を東京帝国大学に事実上吸収する意向を示したが、これに対し、東京高商の在学生は抗議の総退学を決議し、神戸側も呼応する態度を見せた。このため文部省は渋沢栄一の仲介もあって専攻部廃止を断念せざるを得なくなった(申酉事件)。 東京、神戸両高商が学制上、他の官立高商よりも一段高い存在だったことは、のちにこの両校が旧制商大に昇格する最大の根拠となった。同じく商大昇格を狙う大阪高商も1920年、本科の上に1年制の研究科を置いて体裁を整えた。
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