本写本の由来に就いての疑義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 19:05 UTC 版)
「尾州家本源氏物語」の記事における「本写本の由来に就いての疑義」の解説
なお、近年になって、以下のようないくつかの理由から、現在「尾州家本源氏物語」として存在する写本は「1258年(正嘉2年)5月に北条実時が作らせた写本」そのものではなくその写本を後のある時期に誰かが花押や奥書も含めてそのままに写した写本ではないかとする見解が出されており、 花押の部分の他の現存する北条実時の花押と比較してみると異なること 奥書が本文とが別の筆跡とみられること 金沢文庫の蔵書印が押されていないこと さらには本写本はしばしば本文の訂正が行われているが、訂正前の本文は青表紙本や国冬本等の別本に近い形態の本文で、そのような本文を河内本に訂正しているケースがあることなどから、本写本の成立の由来を証明すると考えられてきた1258年(正嘉2年)付けの奥書は本写本のものではなく、校合した写本の奥書を転写したものではないかとの見解も出されている。
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