未完の礼拝堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 15:44 UTC 版)
未完の礼拝堂(ポルトガル語表記でCapelas Imperfeitas)は、バターリャ修道院が完成形を見ることがなかったことを示す証でもある。未完の礼拝堂自体は、ドゥアルテ1世によって、1437年に着工した。目的は、ドゥアルテ1世と彼の子孫が埋葬されるための王室の第2の霊廟であったが、実際には、ドゥアルテ1世とその妻であるレオノール・デ・アラゴンの2人のみが埋葬されている。 未完の礼拝堂は、もともとフュゲットが設計したものであるが、後にマテウス・フェルナンデス設計のものが現存の礼拝堂の主な姿となっている。礼拝堂のそれぞれの角には、ヴォールトを支えるために作られた未完の控え壁がある。また、マヌエル様式の彫刻が施される形で、ボイタックが設計した支柱が立つ。 礼拝堂の入口は、15mの高さになっている。もともとはゴシック建築の手法が用いられていたが、マテウス・フェルナンデスの手によって、マヌエル様式の傑作へと変わり、1509年に完成した。華美で、またスタイリッシュであるマヌエル様式の彫刻は、天球、翼を生やした天使、ロープ、円、木の切り株、クローバーの形をしたアーチといった形で表現されている。また、バターリャ修道院建築において庇護者の立場を採ったマヌエル1世やドゥアルテ1世のモットーでもある"Leauté faray tam yaserei"(朕は常に忠実なり)という言葉が200以上、礼拝堂の中のヴォールトやアーチ、柱に施されている。 1533年ごろには、ジョアン・ド・カスティーリョの手によって、ルネサンス建築の手法である涼み廊下が施された。
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