期限の利益の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/12 02:47 UTC 版)
期限の到来するまで間があることで当事者が受ける利益のことを期限の利益という。例えば返還時期の定めのある利息付消費貸借(借金等)の場合、債務者(借主)には期限が到来するまでの間、金銭を自由に使用することができ貸主からの返還請求を拒むことができるという期限の利益があることになる。 期限の利益がいずれの当事者に存するかは契約内容によって異なる。例えば無償寄託のようにもっぱら債権者側に期限の利益がある場合、定期預金や金銭信託のように当事者双方に期限の利益がある場合もあるが、通常、期限について定めが置かれる場合には債務者のためである場合が多い。そこで、民法は期限の利益は債務者のために定められているものと推定する規定を置いている(136条1項)。 期限の利益を持つ当事者は、自由にこれを放棄しうる(136条2項本文)。ただし、相手方の利益を害することはできない(136条2項但書)。例えば返還時期の定めのある利息付消費貸借(借金等)の場合、借主側からは136条2項本文の規定により期限の利益を放棄することでいつでも返還しうるが、そのときは136条2項但書により期限までの利息を支払う必要があることになる(591条2項は無利息消費貸借に適用され、消費貸借が利息付の場合には一般原則によるとされる)。
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