期間の定めのない借家契約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:46 UTC 版)
「借地借家法」の記事における「期間の定めのない借家契約」の解説
期間の定めのない借家契約の場合には、民法の原則により、いつでもどちらからでも解約を申し入れることができる(民法617条1項)。また、期間の定めがあっても、契約期間が1年未満である場合には期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる結果(29条1項)、同様に解約を申し入れることができる。 ただし、建物賃貸人からの解約申入れについては、第1に、解約申入れから契約終了までの猶予期間(解約申入れ期間)が、民法617条1項2号所定の3か月から、2倍の6か月に延長されている。第2に、正当事由が必要とされる。さらに、借家人が6か月たっても立ち退かなかった場合、賃貸人が遅滞なく異議を述べないと、6か月前に行った解約申入れは効力を失う(27条)。 なお、借家人からの解約申入れについては民法617条により、正当事由を必要とせずにいつでも解約の申入れをすることができ、解約の効果は申入れから3か月が経過したときに生じる。したがって、申入れ後直ちに立ち退いたとしても3か月分の賃料支払い義務は残る。仮に民法617条を任意規定と解すると、特約で借家人からの解約申入れ期間を4か月等に延長することが可能になる。もっとも、仮に任意規定だとしても、消費者契約法により、3か月よりも長い解約申入れ期間は無効となる可能性がある。 借地権の目的である土地の上の建物について賃貸借がされている場合、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することを、その1年前に知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において、土地の明渡しについて相当の期限を付与することができる。この場合、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって終了する(35条)。
※この「期間の定めのない借家契約」の解説は、「借地借家法」の解説の一部です。
「期間の定めのない借家契約」を含む「借地借家法」の記事については、「借地借家法」の概要を参照ください。
- 期間の定めのない借家契約のページへのリンク