最後の喫煙者とは? わかりやすく解説

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最後の喫煙者

作者筒井康隆

収載図書夜のコント・冬のコント
出版社新潮社
刊行年月1990.4

収載図書最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集 1
出版社新潮社
刊行年月2002.11
シリーズ名新潮文庫


最後の喫煙者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 14:19 UTC 版)

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最後の喫煙者
著者 筒井康隆
発行日 1987年9月
発行元 新潮社、『小説新潮
ジャンル SF小説
日本
言語 日本語
形態 短編SF小説
ページ数 20
公式サイト iTunes Store オーディオブック 最後の喫煙者
リンク先はiTunesが必要。
コード ISBN 978-4-10-117143-2
ウィキポータル 文学
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最後の喫煙者』(さいごのきつえんしゃ)は、筒井康隆の短編SF小説1987年昭和62年)9月発売の『小説新潮』10月号において発表された。

作品概要

国会議事堂の頂きに座り込み、地球上で『最後の喫煙者』になった小説家が、それまでに起きた嫌煙権運動を振り返る。愛煙家・喫煙者差別が魔女狩りレベルの排斥運動となって大きな騒動となりヒステリックに過激化していく様子を、主人公である小説家の視点から描いている。

発表当時『健康ファシズム』という表現で行われているが、煙草屋村八分にされ、世界保健機関人権擁護局赤十字・マスメディア・国民・嫌煙権団 (KEK) と称する団体が、煙草屋や愛煙家の家に対して放火・殺人を始めていき、喫煙者を問答無用で脅迫・私刑にし、警察および自衛隊といった存在までもがタバコ及び喫煙を排斥する側に回っていく様子を記述し、風刺している。筒井曰く「オーウェル一九八四年』の煙草版」[1]

この短編が発表されると、「喫煙規制問題を考える会」という反嫌煙権運動の団体から筒井へ会長就任を要請する反響があったという[1]

1990年刊行の短編集『冬のコント・夜のコント』に収録され、1994年に新潮文庫に。2002年に新潮文庫から再編集で出版された「自選ドタバタ傑作集1」で表題作となった。

作者の意図

現在[いつ?]禁煙ファシズム」においても、全体主義的な禁煙・嫌煙・嫌煙権運動への批判として、この作品が引き合いに出されることが多い[要出典]。その後も筒井は自身のコラムや作品中で、嫌煙・禁煙運動について批判的に触れていたが[2]、2021年のインタビューでは「嫌煙運動ってまだあるの」と質問する程度の関心になっていた[3]

メディア展開

1995年にフジテレビ世にも奇妙な物語 '95冬の特別編』にてテレビドラマ化、放送された。主演は林隆三。筒井康隆自身も作家役として出演している。

2008年には英国放送協会(BBC)からラジオドラマ化の話があり、2009年に放送予定だったという[4]

2010年平成22年)、iTunes Storeオーディオブックとして、ことのは出版からダウンロード販売されている。朗読は安原義人、27分。

脚注

  1. ^ a b 筒井康隆「マスコミ日記 笑犬楼よりの眺望」『噂の眞相』1988年2月号、pp.32-33
  2. ^ 例えば『笑犬樓よりの眺望』(新潮社1994年、新潮文庫1996年)収録「健康心配社会に長生きはしたくない」(初出:『噂の眞相』1990年4月号)、および『笑犬樓の逆襲』(『噂の眞相』連載時は『狂犬樓の逆襲』、2004年新潮社、2006年新潮文庫)収録「愚挙・千代田区の歩行者喫煙取締りを糾弾する」(初出:『噂の眞相』2002年12月号)などがある。
  3. ^ 筒井康隆・古谷経衡「傑作は紫煙の中から生まれる 筒井康隆ロングインタビュー」『週刊新潮』2021年9月30日号、pp.148-149
  4. ^ 筒井康隆『偽文士日碌』角川書店、2013年、p.38

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