時刻表・列車順序方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 00:16 UTC 版)
電信が発明されたことにより、列車より速く情報を伝達する手段が登場したため、より洗練された運行方式を実現することが可能となった。電信により、列車順序(train order)と呼ばれる、ダイヤの変更が行われるようになった。これにより、列車の運休、運転整理、特発などが実施されるようになった。 列車の乗務員は停車駅で列車順序に関する情報を受け取り、また場合によっては走行中、駅を通過している時に長い棒を使って渡されることもあった。運転指令員は、列車を待避線に入れて対向列車を待ち合わせさせたり、優先度の高い列車を先に通すために側線に待避させたり、同じ方向へ続行する列車に間隔を空けさせたりすることができるようになった。 時刻表・列車順序方式の運行は、1960年代までアメリカの鉄道でよく用いられ、特にウォーバッシュ鉄道(Wabash Railroad)やニッケル・プレート鉄道(Nickel Plate Road)では大規模に運用された。カナダでは1980年代後半までアルゴマ・セントラル鉄道(Algoma Central Railway)や、カナディアン・パシフィック鉄道(Canadian Pacific Railway)の一部の路線で用いられていた。 時刻表・列車順序方式は北アメリカ以外ではあまり用いられず、また北アメリカでも交通量の少ない路線では無線を用いた制御に、多い路線では自動信号方式に置き換えられて消滅した。
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