旦願寺の狸和尚とのん太
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垣内稔『日本の民話 22 安芸・備後の民話 第一集』未來社,新版2015年、や『まんが日本昔ばなし』1989年10月21日放送No.1142に「旦願寺の狸和尚」という昔話が載っている。 むかしむかし、旦願寺に古タヌキが棲みついていた。この古タヌキ、”やいと”がうまく酒好きで、夜な夜な旦願寺の和尚に化けてやいとをして回ってはお礼のお金で酒を買っていた。旦願寺のタヌキ和尚のやいとは万病に効くと四日市(西条)で評判であった。四日市は酒のうまい所で、タヌキ和尚はやいとのお礼にと貰ったお金ですぐ酒を買うとほろ酔いで帰っていた。 ある日、古タヌキは和尚に化け遠く御薗宇にまでやいとに出向いてほろ酔いで帰っていた。そこへ大雨が降り帰り道途中の川が増水し渡れなくなった。和尚は困っていると、一人の若者が川を渡ろうとしていた。和尚は「わしは旦願寺の和尚じゃが川を渡れんで困っとる。お礼はするけえわしを肩にかついで渡してくれんかの。」と若者にお願いした。若者は「旦過寺の和尚いうたら、タヌキと聞いとる。お礼をはずむいうても、後であけてみたら木の葉になっとったらつまらんけー。」と嫌がった。それに和尚は「そんなら、わしのやいとがよう効くのは聞いとろうがー、そのやいとのすえ方を教えるのと交換ではどうじゃ。」と答え、若者はそれではと引き受けて和尚を担いで川を渡りやいとの仕方を教えてもらった。 これを境に、御薗宇の若者のやいとはよく効くと評判になって大金持ちとなり、逆に古タヌキ和尚のやいとは全く効かなくなった。焦った古タヌキは仲間のタヌキを集めて相談すると、御薗宇の若者のやいとを一度すえてもらえという話になり、古タヌキはおばあさんに化けて御薗宇まで行った。おばあさんは若者のやいとを据えられると、最初は我慢していたがあまりの熱さに耐えられずやいとを背中に載せたまま逃げ帰ってしまった。 後に旦過寺の松の木の下で、頭の禿げた(やけどした)タヌキを見たというものがいたが、あれが古タヌキ和尚であったかはわからないという。 東広島観光協会はこの話のタヌキを元にゆるキャラ「のん太」を作成、1991年の酒まつりで初披露した。2015年には東広島市公認のキャラクターとなった。 のん太のプロフィール 公式 Facebook - Facebook
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