日本国外でのサクラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 06:11 UTC 版)
サクラは北半球に広範に分布しているが、ヨーロッパや北米には、観賞に適した大きな花をたくさん付ける野生のサクラの種はあまりなく、それらの多くは今日の人々が想像している典型的なサクラとは異なっている。また中国本土には日本より多い30種以上の野生種のサクラが分布しているが、それらの種は小さな花をつけるものが多く、観賞用にふさわしい大きな花を咲かせるサクラの分布域は人々の生活圏から離れた狭い地域に限定されていた。一方日本では、観賞に適した大きな花を大量に咲かせ大木になりやすいオオシマザクラとヤマザクラが人々の生活圏に近い全国のかなり広い地域に分布していた。そのため日本では歴史的にサクラを観賞する文化や栽培品種の生産が発展したと考えられている。 欧米各国は江戸時代末期から日本のサクラを収集し、イチハラトラノオ、フゲンゾウ、ウコンなどがこの時期に欧州に持ち出され、サクラ観賞の文化が始まった。また明治時代の都市の近代化によるサクラの伐採により日本では一部のサトザクラが失われていたが、タイハクやホクサイなどは欧州に持ち出されて後に日本に里帰りすることで再び日本で観賞できるようになった。
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