日本における新型うつの流行と議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:21 UTC 版)
「メンタルヘルス」の記事における「日本における新型うつの流行と議論」の解説
「新型うつ病」、「抑うつ」、および「気分障害#うつ病性障害」も参照 「心の風邪」の宣伝文句により人々にとって精神科が身近になる中、樽味伸は2004年にうつ病のディスチミア親和型を提唱した。うつ病の患者の中に、仕事熱心でなく、他罰的で、抗うつ薬が効かない患者が増えていることに気づいたからである。後に、新型うつ病のステレオタイプ、仕事では元気がないがプライベートは元気という言説につながるが、これは樽味の意図したことではない。これは古くは、「退却神経症」あるいは「逃避型抑うつ」とか、近年では樽味のディスチミア親和型の他に、阿部による「未熟型うつ病」、松浪による「現代型うつ病」などによって異なる病理が描かれていたが、共通した特徴としては、典型的なうつ病よりも抗うつ薬が効きにくく、軽症かつ難治ということである。一方、「非定型うつ病」とは『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)においては、特定の症状を持つうつ病を指しているが、この用語はマスコミなど一般に、典型的ではないうつ病を指して用いられている。2012年には、テレビ番組のNHKスペシャルにて、「職場を襲う"新型うつ"」が特集され、同様の特徴が報道されている。 日本うつ病学会は、2012年のうつ病の診療ガイドラインにおいて、「現代型(新型)うつ〔ママ〕」について、若年者の軽症の抑うつ状態の研究の一側面を切り取ったマスコミ用語であり、精神医学的な深い考察も、治療のための根拠も欠いているとしている。日本うつ病学会は、ウェブサイト上にて、その概念も学術的に検討されたものではないとしている。
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