日本での分布の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 05:16 UTC 版)
「クモマベニヒカゲ」の記事における「日本での分布の変遷」の解説
サハリンを含む日本の本州のDNA解析の研究では17のハプロタイプが検出されている。これらの分析から、北海道では大雪山の高標高部と低標高部の2系統に分かれている。本州では飛騨山脈北部、白山、飛騨山脈南部、八ヶ岳、木曽山脈、赤石山脈の5系統の分かれている。飛騨山脈では鹿島槍ヶ岳から烏帽子岳までのエリアで2系統の混在地帯が見られている。白山山系では、飛騨山脈北部と同じハプロタイプが分布している。八ヶ岳の系統は飛騨山脈南部の系統と1塩基差の近縁性が見られる。木曽山脈の系統は赤石山脈の系統と近縁である。 日本での分布の変遷は以下のように推定されている。古い時代の氷期に日本列島に進出した本種の個体群は、その後温暖期に、サハリン、北海道、本州のレフュジアに分断され、それぞれの系統に分化した。後の温暖期に本州では飛騨山脈北部、飛騨山脈南部、赤石山脈・木曽山脈の3系統に分断された。後の氷河期に分布を拡大し、飛騨山脈北部、飛騨山脈南部とその中間の混生地帯を形成した。さらにその後の温暖期に現在の離散分布が形成された。
※この「日本での分布の変遷」の解説は、「クモマベニヒカゲ」の解説の一部です。
「日本での分布の変遷」を含む「クモマベニヒカゲ」の記事については、「クモマベニヒカゲ」の概要を参照ください。
- 日本での分布の変遷のページへのリンク