新生児の自己輸血ソースとしての臍帯血
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:05 UTC 版)
「臍帯血」の記事における「新生児の自己輸血ソースとしての臍帯血」の解説
臍帯血は新生児自身の血液であるので、例は少ないものの新生児で輸血が必要になった際に臍帯血を新生児自身に輸血することがある。自己血の輸血なので副作用が少ない利点がある。 新生児の外科疾患では、エコー検査などの出産前検査の進歩によって出産前に「出産後早期に手術が必要」と判明するケースがある。そのようなケースで出生後2週間以内に手術すると見込まれる際には、出産時に臍帯血を採取・保存して手術時に輸血が必要になったら保存していた自己の臍帯血を輸血することがある。自己血なので副作用が少ないメリットがある。臍帯血自己血輸血に積極的な病院の例では、出生後2週間以内に外科手術したケースの89%で輸血が必要になり、その63%では自己臍帯血だけで輸血用血液が足りた。しかしながら新生児の手術の為に自己臍帯血を採取・保存することは限られた施設でしか行われていない。輸血の為に臍帯血を採取・保存するには人手・設備・技術が十分で無いと難しい。産科医院ではスタッフ不足に悩んでいるところが多く、また臍帯血採取・保存の設備も不足している病院が多いためである。 また、早産児では貧血のケースが多く、貧血を改善するために、出生時に臍帯血を送り込んでやることがある。新生児と臍帯を結紮するのを遅らせたり、臍帯をしごいたりして臍帯内の血液を新生児に送る。
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