救済療法
【概要】 治療に対する反応は患者によってかなり異なる。臨床試験をかさねて十分な証拠を得た後に、第一選択すべき治療法が確立し、標準的な治療法(Standard)になる。一方、これを選ぶことができない場合には、第二選択などの代用療法(Alternative)が選ばれる。さらに、初回治療が失敗に終わった場合、次の選択肢があることもある。十分な証拠がないけれど、救済のためには挑戦する価値があると思われる治療法が救済療法である。
【詳しく】 救済療法としては未認可薬の臨床第1相試験があてられることがある。「すべての手を尽くした」と言えるように準備している。救済療法は、元は臨床腫瘍学、いわゆる抗癌剤治療の研究からできた言葉ではなかろうか。

救済療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/21 14:38 UTC 版)
救済療法 | |
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治療法 | |
シノニム | 救助療法 |
MeSH | D016879 |
救済療法(きゅうさいりょうほう、Salvage therapy)は、標準的な治療に反応しない病気の後に行われる治療法で、救助療法(Rescue therapy)とも呼ばれる[1]。救済療法を必要とする最も一般的な疾患は、HIV感染症と様々な癌である。この言葉は明確に定義されておらず、2回目の試みと最終的な試みの両方の意味で使われる[2]。救済療法に用いられる薬剤やその組み合わせは、一般的に標準治療に比べて重篤な副作用を伴う。これは、最後の手段である薬剤に当てはまる。
用法
HIV感染症
抗レトロウイルス薬(ARV)を投与する事で、HIVの増殖を遅らせ、生活の質と生存率を高める事が出来る[3]。ARVによる抑制後、患者のウイルス量(血液中のHIVの量)が増加した場合、ウイルスがARVに対して耐性を獲得した可能性がある。HIVのゲノムに薬剤耐性を齎す変異が増えてくると、HIVの複製を有意に抑制し、患者のウイルス量を低く保つARVを選択する事が難しくなる。ここでいう救済療法とは、通常の治療が失敗した後に、複製しているHIVを抑制しようとするものである[4]。プロテアーゼ阻害剤を含む少なくとも1つの治療法が失敗した場合、その後のHIV感染症の治療は救済療法と呼ばれる[5]。
癌
救済化学療法は、他の化学療法に反応しなかった場合に行われる治療法である[6]。
参考資料
- ^ “Definition of Salvage therapy”. MedicineNet.com (2006年). 2006年10月26日閲覧。
- ^ “HIV Therapy 2006”. Flying Publisher (2006年). 2006年10月26日閲覧。
- ^ “Antiretroviral Therapy (ART)”. World Health Organization (2006年). 2006年10月26日閲覧。
- ^ “SALVAGE THERAPY”. The AIDS InfoNet (2006年). 2006年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年10月26日閲覧。
- ^ “HIV Medicine 15th Edition”. Flying Publisher (2007年). 2012年1月15日閲覧。
- ^ NCI Dictionary of Cancer Terms
救済療法と同じ種類の言葉
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