支配戦略均衡とは? わかりやすく解説

支配戦略均衡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/22 20:27 UTC 版)

ナッシュ均衡」の記事における「支配戦略均衡」の解説

囚人のジレンマ」も参照 純粋戦略ゲーム (Pure strategy game) とは、参加者 (プレーヤー) が必ずどれかの戦略を選ぶゲームである。例えば、以下の表は、二人プレーヤー PaPbそれぞれ戦略(A1 または A2)と(B1 または B2)を選べるときの、それぞれの利得を示す。並んだ数字左側Pa利得右側Pb利得である。 Pa/Pb B1 B2 A1 5, 2 2, 4 A2 4, 6 1, 6 まず Pa利得注目すると、Pb がどちらの戦略選ぼうが、Pa は A1 戦略選んだ方がより大きな利得を得ることができる。このような関係が成り立つとき、A1 は強支配戦略であると表現する支配するとは、ある戦略を選ぶことが他方戦略を選ぶより有利であるという意味である。 次に Pb利得注目すると、Pa がどちらに戦略選んでも、B2 戦略選んだ方が B1 戦略のとき以上の利得得られるPaA2 戦略選んだ場合には B1B2同等になるので、このような関係のとき B2 は弱支配戦略であるという。 結果としてPa にとっての最適戦略は A1、Pb にとっての最適戦略B2 となり、両者ともここから戦略変更して利得は減る。この組み合わせ (A1, B2) が支配戦略均衡となる。 PaPb が (A1, B2) という戦略をとった場合Pa戦略変更して A2 をとれば利得が 2 から 1 へ減少してしまうため、戦略変更する誘因持たない同様に Pb も、戦略変更して B1 をとれば利得が 4 から 2 へ減少してしまうため、戦略変更する誘因持たない。従ってこの例では支配戦略均衡はナッシュ均衡である。 なお、PaPb が (A2, B1) という戦略をとった場合利得は (4, 6) となり、ナッシュ均衡における利得比べて PaPb ともにより大きな利得を得ることができる。この場合Pa がより大きな 5 の利得を得るため A1 に戦略変更する誘因を持つため、ナッシュ均衡ではない。すなわち、このゲーム囚人のジレンマゲームである。また、(A1, B2) から (A2, B1) への戦略変更は、パレート改善であり、ナッシュ均衡 (A1, B2) はパレート効率的ではない。

※この「支配戦略均衡」の解説は、「ナッシュ均衡」の解説の一部です。
「支配戦略均衡」を含む「ナッシュ均衡」の記事については、「ナッシュ均衡」の概要を参照ください。

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