抜荷とは? わかりやすく解説

ぬき‐に【抜(き)荷】

読み方:ぬきに

運送中または保管中の荷物一部をこっそり抜き取ること。また、その品。


抜荷

読み方:ヌケニ(nukeni)

株仲間専売制規定無視した売買

別名 抜買出買途中買


抜け荷

(抜荷 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/02 08:25 UTC 版)

抜け荷(ぬけに)は江戸時代幕府の禁令を破って行われた密貿易である[1][2][3]。主として日本に来航したオランダ人や中国人を相手に行われた[2]

概要

寛永年間(1624年 - 1644年)以後、日本の貿易は長崎に限られ、その後相手国は中国、オランダのみとされ、渡来船の数、貿易額などは制限された。また、貿易は特許商人によって行われ、元禄1688年 - 1704年)以後は、長崎会所に限られた。以上の諸制限の外で貿易を行おうとするために抜け荷が発生した。

江戸幕府はその防止に努め、正徳4年(1714年)以来しばしば禁令を発して、禁を犯すものは死罪に処したが、後を絶たず、幕末に至るまで根絶しなかった。享保年間(1716年 - 1736年)は捕えた密商を釈放して、逆にこれを抜け荷の監察に用いて効果を上げたこともあった。

有名なものには、延宝4年(1676年)に捕えられ隠岐に流された長崎代官末次平蔵茂朝嘉永6年(1853年)、捕えられ死刑に処せられた加賀銭屋五兵衛などがある。

多くは唐船との間で行われ、あらかじめ期を約して所定の航路外の海上で、夜間、取引を行うのが常とされ、中には唐人と通じて唐人館内で行う者もあり、また外船に漂流を装わせて、九州あたりの交通の少ない海岸で行う者もあった。後には唐、オランダ以外の国とも密貿易を行う者も生じた。以上は、外国船との密貿易である。

において、藩営専売仕法もしくはこれに類似した仕法を行って、特定商品を密かに藩外と売買することが禁じられた場合、これを犯すことをも、抜け荷と言った。一例が会津藩の「抜け蝋」であり、また阿波藩では藍の抜け荷を取り締まるために「抜荷制道役」を設けた。

なお、「ぬきに」(抜き荷、抜荷)という言葉もあるが、これは、船頭が、回送を委託された荷主の商品を抜き取って私販することをいう。

関連項目

脚注

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  1. ^ 抜け荷」 『ブリタニカ百科事典 小項目事典』ブリタニカ・ジャパン株式会社、2014年https://kotobank.jp/word/%E6%8A%9C%E3%81%91%E8%8D%B72018年4月9日閲覧 
  2. ^ a b 抜け荷」 『デジタル大辞泉小学館、2018年4月9日https://kotobank.jp/word/%E6%8A%9C%E3%81%91%E8%8D%B72018年4月9日閲覧 
  3. ^ 抜け荷」 『大辞林』(第三)三省堂、2006年10月27日https://kotobank.jp/word/%E6%8A%9C%E3%81%91%E8%8D%B72018年4月9日閲覧 

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