戸籍法に基づく届出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 23:52 UTC 版)
婚姻には形式的要件として戸籍法に基づく届出(婚姻届)が必要である(739条2項)。これは婚姻の効力を第三者にも及ぼすためである。この届出については当事者間の合意で婚姻は成立しておりその効力発生要件にすぎないとする説と届出がない以上は婚姻は成立しないのであるから婚姻の成立要件であるとする説(通説)などがある。婚姻届は当事者の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない(戸籍法25条1項)。 婚姻の届出は731条から737条まで及び739条2項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ受理することができない(740条)。なお、外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる(740条前段)。 婚姻は戸籍事務の担当者が届出を受理した時点で成立する(大判昭16・7・29民集20巻1019頁)。婚姻の届出をしない場合には婚姻届出の欠缺(けんけつ)として婚姻は無効である(742条2号本文)。ただし、その届出が739条2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻はそのためにその効力を妨げられない(742条2号但書)。 2004年7月16日に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行、これにともない戸籍法も一部改正した。特例法の定める要件を満たす性同一性障害者は家庭裁判所で性別の変更の審判を請求することができ、戸籍上の性別の変更が可能となった。戸籍上の性別にしたがい、その男女の婚姻届は受理される。
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