戦車運搬車型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 22:53 UTC 版)
「スキャメル パイオニア」の記事における「戦車運搬車型」の解説
1932年に配備されたガソリンエンジン搭載の試作型を除けば、戦車運搬車型のパイオニアの配備は1937年まで開始されなかった。戦車運搬車型としての生産型はパイオニア TRCU20で、この車両はシャーシ、キャブが少し延長され戦車兵が乗れるようになっており、4個の後輪は砲兵トラクター型・回収車型に比べて大きなものに変更されていた。積載量20トンの"パイオニア TRCU20"、"パイオニア TRMU20"の他、積載量30トンの"パイオニア TRCU30"、"パイオニア TRMU30"も開発された。いずれのタイプも、現在の一般的なセミトレーラートラックや戦車運搬車と異なり、トラクター部とセミトレーラーの連結部分を簡単に外す事ができなかった。セミトレーラーに戦車を載せるためのランプは、トラクター部分に装備されたウィンチで引き上げて固定する仕様であった。 パイオニア戦車運搬車は、アメリカ軍から供与されたM4シャーマン戦車などを搭載して運用するには背が高すぎるのとやや非力であったため、1941年頃から、アメリカで開発された"ダイアモンドT"戦車運搬車への更新が進められた。しかしながらパイオニア戦車運搬車の生産も大戦中を通じて続けられ、総計459両が生産された。 戦後は、パイオニア戦車運搬車の背の高いトレーラー部分はあまり役に立たないものとして多くがスクラップになり、トラクター部分は別のトレーラーの牽引に転用されたり、民間に売却されたりした。 戦車運搬車型のスキャメル パイオニア。1942年、北アフリカ戦線。 マチルダII歩兵戦車を搭載中の戦車運搬車型のスキャメル パイオニア。1942年、北アフリカ戦線。 M4シャーマン戦車を搭載した戦車運搬車型のスキャメル パイオニア。1942年、北アフリカ戦線。
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