戦国楚墓の帛画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:09 UTC 版)
戦国時代の作品としては、湖南省長沙にある楚の墓から、副葬品の帛画(はくが、絹布に描かれた絵)2点が出土している。この帛画は死者の魂が天に昇って仙界に至ることを祈念するための幡(はた)として制作され、墓室に副葬されたものである。2点の帛画は別々の墓から出土したもので、『人物龍鳳図』および『人物御龍図』と名付けられている(以上の題名は参考文献によって若干異なる)。前者は横向きに立つ女子の頭上に様式化された龍と鳳を描き、後者は男子が龍に乗る姿を描く(「御龍」の「御」は馬などを操る意)。これらの図は死者の魂が霊獣である龍鳳に導かれて天すなわち仙界に上る様子を表したものである。この帛画の人物や霊獣は、墨の線で描かれたうえに着色されており、絹・墨・筆という道具を用いた絵画としては中国で最古の遺品である。
※この「戦国楚墓の帛画」の解説は、「中国の絵画」の解説の一部です。
「戦国楚墓の帛画」を含む「中国の絵画」の記事については、「中国の絵画」の概要を参照ください。
- 戦国楚墓の帛画のページへのリンク