意思能力あり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/06 06:31 UTC 版)
意思能力が十分である場合で、医療を提供する側(医療者)と医療を受ける側(対象者)の双方が有益無益を判断する場合では、以下のように3つのパターンがある。 医療者「無益」、対象者「無益」 このように双方が無益と捉えていれば、無益な医療は行われない。 医療者「有益」、対象者「無益」 2006年2月に日本医師会は第IX次生命倫理懇談会で次のように述べている。 今日、患者の自律性を尊重し、残された生命の質を大事にすることについて異論を唱えるものはいないが、ややもすると医療の現場や医学的判断の視点が薄れ、生命倫理についての議論が医療現場から乖離しがちである。終末期医療に限らず、患者が生命予後について極めて厳しい事態に置かれたとき、医師はその患者にとっての医学・医療的最善、即ちその時点での医学・医療レベルに照らして最善の判断と技量を、可能な限り提供しようと努力するという前提がなければ、生命倫理的思量はその意義を失うであろう。 — 日本医師会、 つまり対象者が医療に否定的であっても、医療者が医療は「その患者にとっての医学・医療的最善」と判断すれば、対象者にとっては無益な医療を、インフォームドコンセントなどにより有益な医療として同意を取った上で行う可能性がある。 医療者「無益」、対象者「有益」 この場合は医療者が対象者の希望に応じないと、対象者はドクターショッピングを行う可能性がある。 実際の現場では対象者の親類縁者も対象者のキーパーソンとして関わるため、キーパーソン一人の有益無益を考慮するなら最大で6パターン、親類縁者全員の有益無益を考慮するならば、さらに多くのパターンが存在し得る。
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