想像人格(IIC:Internalized Imaginary Companions)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/19 05:57 UTC 版)
「内的自己救済者」の記事における「想像人格(IIC:Internalized Imaginary Companions)」の解説
「IIC:Internalized Imaginary Companions」を直訳すると「内面化された想像上の仲間」となるが、通常いわれる「想像上の友達」とは全く別物である。 現在ではアリソン以外の治療者にとっては「想像上の友達」と交代人格は全く別物であるが、1970年代後半には「想像上の友達」が多重人格の起源として広く検討されていた。アリソンも1978年の論文で「想像上の友達」から救済者人格が作られることを述べ、この時点では「想像上の友達」から生まれたとしても「交代人格」であるとしている。 しかし後に「交代人格」とは別の疑似人格とでもいうべき「想像人格(IIC)」という概念を提唱し、「解離ではなく感情的な想像力によって生成された IIC を交代人格と混同すべきではない。IIC が、体を則り交代人格のように"存在”として体を動かし得るとしても」という。救済者人格は「感情的自己(Emotional Self=Personality) 」から生まれるものであって「想像上の友達」から生まれることは絶対になく「想像上の友達」から生まれた想像人格(IIC)は救済(統合)の必要のない「格下」となる。そのきっかけのひとつは先に触れたアリソンの患者マークが起こした強姦殺人事件である。この事件はアリソンにとって救済者人格とISHを区別し、MPDとDIDを分けるだけでなく、更に交代人格とは別の「想像人格(IIC)」という概念を生み出させる契機にもなった。アリソンのいう、交代人格ではない想像人格(IIC)とは次のようなものである。 「IIC はどの様な悪さをしても無頓着である。誰にもコントロールを受けない。それ故、IIC はしばしばとても危険な存在となる。 IIC はまるで軍隊で使用される、スマート爆弾のようなものだ。 いったん、爆弾がセットされると、ただ目標を破壊する、という非常にシンプルなメカニズムのため、修正不能である」
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