情報の中継と共有
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 00:09 UTC 版)
街道通行や荷物運送を通じた情報と共に、近江に領地を持つ諸藩や様々な階層の領主からの情報が近江国内には入ってきた。加えて全国に店舗と商売網を持ち、蝦夷地には魚場を有し、幕閣や諸藩・各地の有力者と取引がある近江商人からもたらされる情報もあった。実際、近江八幡の豪商西川傳右衛門家の祖は六角家の被官であり、同家10代目西川貞二郎は野洲郡江頭村(現近江八幡市)の庄屋井狩家から養子に入った。この様に庄屋層と豪商との間には姻戚関係が存在し、多くの情報が庄屋豪商間で共有することができた。 更に井組や宿場での役割等を通じ、庄屋間で広く情報を共有できる土壌が近江にはあった。三上村の大庄屋大谷家には『大阪町御奉行組与力大塩平八郎その外徒党いたし乱妨に及び候一件あらあら聞書』と言う資料があり、庄屋層の情報量とその正確さを物語る資料と言える。そして情報を的確に把握し、判断できる知識を近江庄屋層は持っていた。
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