悪字と好字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 16:11 UTC 版)
「外国地名および国名の漢字表記一覧」の記事における「悪字と好字」の解説
本来、音訳字は字義を無視して借音的に用いられるのだが、漢字の持つ印象に応じて、悪字と好字を選り分けて使用する場合もあり、古い表記の悪字が好字に変更されたり、逆に敵対する国には意図的に悪字が当てられたりすることもあった。フィリピンを表す「非」が「比」に改められたり、かつてロシアと交戦中の日本で、一般的には「波羅的」と表記されたバルチックに一時期「波苦痴苦」「婆」が当てられたりしたのは、その一例である。第二次世界大戦期における日本には独自で作字した例があり、敵国の「米」・「英」それぞれにけものへんを添える「𤝸(犭+米)」・「𤠉(犭+英)」表記を奨励したプロパガンダの記録がある。悪字・好字の認識は、時代、国家、民族、文化などによって異なる場合もある。明治期の在日ロシア帝国公使館は、ロシアを表す「魯」の字について、「魯鈍」との悪印象を受けるとして、この音訳字を嫌い、日本政府に抗議して「露」に改めさせた。
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