恒星周期と会合周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:16 UTC 版)
惑星の恒星周期と会合周期の関係式はニコラウス・コペルニクスによって導かれた。 ここで以下の各記号を用いる。 E = 地球の恒星周期(恒星年) P = 惑星の恒星周期 S = 惑星と地球との会合周期 円軌道を仮定すると、会合周期 S の間に地球は (360/E)S 度、惑星は (360/P)S 度だけ公転する。 ここでまず内惑星について考えると、地球から見て内合の位置にいる内惑星が再び内合の位置に戻るまでに、内惑星は地球よりも1周多く公転する。 S P 360 ∘ = S E 360 ∘ + 360 ∘ {\displaystyle {\frac {S}{P}}360^{\circ }={\frac {S}{E}}360^{\circ }+360^{\circ }} よってこの式から、惑星の恒星周期 P は以下のように求められる。 P = 1 1 E + 1 S {\displaystyle P={\frac {1}{{\frac {1}{E}}+{\frac {1}{S}}}}} 同様にして外惑星の恒星周期は以下のようになる。 P = 1 1 E − 1 S {\displaystyle P={\frac {1}{{\frac {1}{E}}-{\frac {1}{S}}}}} この式は地球と惑星の公転角速度を考えると容易に理解できる。惑星の見かけの角速度はその惑星の真の(恒星に対する)角速度から地球の角速度を引いた値となる。よって惑星の会合周期は単に1公転(360度)を見かけの角速度で割った値になる。 太陽系の主要な天体の地球に対する会合周期は以下の通りである。 恒星周期(年) 会合周期(年) 会合周期(日) 水星 0.241 0.317 115.9 金星 0.615 1.599 583.9 地球 1 — — 月 0.0748 0.0809 29.5306 火星 1.881 2.135 780.0 ケレス 4.600 1.278 466.7 木星 11.87 1.092 398.9 土星 29.45 1.035 378.1 天王星 84.07 1.012 369.7 海王星 164.9 1.006 367.5 冥王星 248.1 1.004 366.7 惑星の衛星の場合、会合周期は通常は太陽との会合の周期を意味する。すなわち、惑星上の観測者から見てその衛星が朔望の1周期を完了し、太陽と同じ離角の位置に再び戻るまでの時間を指す。よって惑星の衛星の会合周期には地球の運動は関係しない。たとえば火星の衛星ダイモスの会合周期は 1.2648 日で、恒星周期 1.2624 日よりも 0.18% ほど長い。
※この「恒星周期と会合周期」の解説は、「公転周期」の解説の一部です。
「恒星周期と会合周期」を含む「公転周期」の記事については、「公転周期」の概要を参照ください。
- 恒星周期と会合周期のページへのリンク