快風丸 (日本海軍)とは? わかりやすく解説

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快風丸 (日本海軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 05:30 UTC 版)

快風丸
基本情報
建造所 (アメリカニューヨーク[1])
運用者 備中松山藩・明治政府(日本海軍)[1]
艦種 運送船[2]
艦歴
就役 文久2年(1862年)松山藩購入[3]
1868年軍務官直轄[4]
除籍 1881年2月7日[1]
その後 1881年2月売却[3]
要目
排水量 155英トン[3]
トン数 155トン[5]
または171.4トン[2]
長さ 101 ft (30.78 m)[4]
または 101尺[3](約30.61m)[注釈 1] あるいは123[2]
垂線間長 101尺[5](約30.61m)
22 ft (6.71 m)[4]
または 22尺(約6.67m)[注釈 1]
あるいは13尺6[2](約4.12m)
最大幅 22尺5寸[5](約6.82m)
深さ 10尺05[2](約3.045m)
吃水 8尺6[2](約2.6m)
帆装 2スクーナー[2]
乗員 1876年6月時定員:15名[6]
その他 船材:木[2][3]
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快風丸(かいふうまる/くゎいふうまる)は、備中松山藩日本海軍の運輸船[3]快風は「心地よく吹く風」の意味[3]には速い意味も含まれると思われる[1]

艦歴

元はニューヨークで建造されたアメリカの木造帆船ゴーウルノルワラス[7]

文久2年9月(1862年)に備中松山藩が購入し「快風丸」と命名した[7]藩主板倉勝静老中に就いていた備中松山藩は佐幕派であったため、戊辰戦争がはじまると慶応4年(1868年)初頭に新政府方の岡山藩に制圧され、「快風丸」も岡山藩の管理下に落ちた。[要出典] そのまま岡山藩の管理となり、後に細川藩(熊本藩)に管理させた[4]。 同年10月24日に朝廷が借用、11月26日に軍務官所管となった[7]。 『海軍省報告書』によると明治2年2月(1869年3月から4月)に松山藩の快風丸を捕獲した、とされている[8]明治2年7月8日(1869年8月15日)に一時兵部省(陸軍部)所管、明治4年12月17日(1872年1月26日)に兵部省(海軍部)所管となった[7][注釈 2]明治5年海軍省発足により海軍省の艦船となり[9]1880年(明治13年)まで石炭輸送に従事した[1]

1873年(明治6年) 10月8日、快風丸は会計局所轄となった[10]

1875年(明治8年) 10月28日、日本周辺を東部と西部に分け、東部指揮官は中牟田倉之助少将、西部指揮官は伊東祐麿少将が任命され[11]日進春日浅間第二丁卯孟春千代田形肇敏丸、快風丸は西部指揮官所轄となった[11]

1月19日東海鎮守府所轄の快風丸は主船局所轄の運送船とされた[5][7][12]。 従来通り唐津から神戸港までの石炭輸送に従事したが、快風丸維持費より民間委託運送費の方が安いため[5]、 翌1881年(明治14年)2月7日除籍、売却された[1][7]

脚注

注釈

  1. ^ a b 『日本海軍史 第7巻』によると長さ31.5m、幅6.8m。
  2. ^ #M1-M9海軍省報告書画像21-22のよると12月17日(1872年1月26日)に兵部省所管となる

出典

  1. ^ a b c d e f #銘銘伝(2014)p.191快風(かいふう)
  2. ^ a b c d e f g h #M1-M9海軍省報告書画像11-12、明治二年己巳艦船総数表
  3. ^ a b c d e f g #艦船名考(1928)pp.15-16、快風 くわいふう Kwaihû.
  4. ^ a b c d #日本近世造船史明治(1973)p.174
  5. ^ a b c d e #M13公文類纂10/快風丸売却方画像1-2、主船第2801号
  6. ^ #M1-M9海軍省報告書画像108-109、艦船表(明治9年6月30日現在)
  7. ^ a b c d e f 中川努「主要艦艇艦歴表」#日本海軍全艦艇史資料篇p.32、快風『かいふう・くゎいふう』
  8. ^ #M1-M9海軍省報告書画像8、明治二年己巳 軍務官 兵部省、2月。
  9. ^ #日本近世造船史明治(1973)p.498
  10. ^ #M1-M9海軍省報告書画像43-44、明治6年10月。
  11. ^ a b #M1-M9海軍省報告書画像68-70、明治8年10月。
  12. ^ #M12.7-M13.6海軍省報告書画像16-17、艦船所轄並在任附改称及等級

参考文献

  • アジア歴史資料センター(公式)(防衛省防衛研究所)
    • 『記録材料・海軍省報告書第一』。Ref.A07062089000。 (国立公文書館)
    • 『記録材料・海軍省報告書』。Ref.A07062091700。 (国立公文書館)
    • 『公文類纂 明治13年 後編 巻10 本省公文 艦船部2/往入2614 主船局上申 快風丸売却方』。Ref.C09114604500。 
  • 浅井将秀/編『日本海軍艦船名考』東京水交社、1928年12月。 
  • 海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』第一法規出版、1995年。
  • 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝<普及版> 全八六〇余隻の栄光と悲劇』潮書房光人社、2014年4月(原著1993年)。ISBN 978-4-7698-1565-5 
  • 造船協会/編『日本近世造船史 明治時代』 明治百年史叢書 第205巻、原書房、1973年(原著1911年)。 
  • 福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。 ISBN 4-584-17054-1 

関連項目




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