後装式の安全上の利点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 06:07 UTC 版)
撃発に失敗し不発射を起こした際に比較的対応し易い構造である。前装式の場合は尾栓が無く、不発があった際にも砲口から取り出さなければいけないので専用の工具を必要とし、更に除去作業中に遅発が発生すれば砲身内で加速された砲弾が自分に向かって飛んで来るため大事故を避けられず危険性が高いのに対し、後装式の場合は尾栓が開けられるのでこれを利用して不発射弾を排除でき、万が一除去作業中に遅発が発生しても、その際に最も危険が高くなる砲口側へ回る必要が無いという利点がある。無論除去作業中に遅発が発生する可能性そのものは排除できないため危険な作業に違いは無いが、作業をしている人に向かって砲身内で加速された砲弾が飛んで来るわけではないので、砲口側からの除去に比べればまだ安全な方である。 また、尾栓を開けて弾薬を込めるという構造上、装填してあるか否かを容易に確認できるため、二重装填を防ぎやすいという利点がある。前装式では砲口から確認するより他に方法が無いため、容易に確認できるというわけには行かないうえに、暴発等が起きた際には上述の不発射・遅発の際と同様の危険を伴う。そのため銃砲の黎明期から、現代の迫撃砲に至るまで、前装式においては二重装填に起因する事故は珍しいものとはなっていない。
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