形状の意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 03:20 UTC 版)
上部と下部の2本の線がラテン十字と異なる形状上の特徴であり、これについて以下に詳述する。 上部の線はハリストス(キリストのギリシャ語・ロシア語読み)の罪状書き(聖書に記述のある、「ユダヤ人の王・ナザレ人イエス」と書かれた札)を表している。なお札の部分の言葉は、正教の解釈を反映し、「ユダヤ人の王」ではなく「光栄の王」(教会スラヴ語: Царь славы, 英語: King of Glory)に置き換えられている。 下部の斜めになった線は、足台を表している。正教会の伝承では十字架には足台があったとされており、磔刑を描いたイコンにもそのような描写がされる。 下部の線が斜めになっているのは、聖書に記述のある、ハリストスとともに磔刑に処された2人の盗賊の死後を表現している。左側に磔刑にされた盗賊はハリストスを罵り、右側に磔刑にされた盗賊はハリストス(キリスト)を救世主と認めて楽園(天国)を約束されたという伝承(盗賊の言動自体は聖書の記述に基くが、「左右」については聖書に具体的記述は無い)に基づき、棒の左が下げられ、棒の右側が上げられた形になっている。なお、「左右」については、磔刑に処せられたハリストスから見ての「左右」となる。
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