強変化動詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 06:19 UTC 版)
強変化動詞の活用は、語幹の母音交替(アプラウト)を伴う。現代英語ではsing/sang/sung, swim/swam/swumなどの不規則変化動詞に相当する。活用の形は7種あり、それぞれに変化のパターンが存在する。 7種の語幹にはそれぞれ以下のような特徴がある: I. ī + 1子音 II. ēo または ū + 1子音 III. e + 2子音 IV. e + 1子音 (通常 l あるいは r、加えて 動詞 brecan 'break') V. e + 1子音 (通常閉鎖音あるいは摩擦音) VI. a + 1子音 VII. 上記の特徴に当てはまらないもの - 第一語幹と第二語幹で同一の語幹を持ち (ē または ēo)、不定詞と過去分詞で同じ語幹を持つ 強変化動詞の語幹変化種不定詞第一過去語幹第二過去語幹過去分詞I ī ā i i II ēo または ū ēa u o III 下表参照 IV e æ æ o V e æ æ e VI a ō ō a VII – ē または ēo ē または ēo – 第一過去語幹は、一人称と三人称単数の過去時制で用いられる。第二過去語幹は二人称単数および全人称複数の過去時制で用いられる(仮定法過去時制の場合も同様)。また、強変化動詞は二人称および三人称単数現在において「i-母音変異(i-mutation)」を起こす。 第III種変化は多くの音変化を経ているため、独立して語幹変化を記述する必要がある。第III種内の変化をさらに5種類の副種に分けることができる。 e + 2子音 eo + r, h + その他の子音 e + l + その他の子音 g, c, sc + ie + 2子音 i + 鼻音 + その他の子音 第III種における語幹変化副種不定詞第一過去語幹第二過去語幹過去分詞a e æ u o b eo ea u o c e ea u o d ie ea u o e i a u u 通常の強変化動詞は種の特徴に沿って活用をしていく。stelan 'steal'の活用を以下に示す。 活用人称・数'steal'不定詞 stelan tō stelanne 直説法現在 一人称単数 stele 二人称単数 stilst 三人称単数 stilð 複数 stelaþ 直説法過去 一人称単数 stæl 二人称単数 stæle 三人称単数 stæl 複数 stælon 仮定法現在 単数 stele 複数 stelen 仮定法過去 単数 stæle 複数 stælen 命令法 単数 stel 複数 stelaþ 現在分詞 stelende 過去分詞 stolen
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