店側の要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 02:49 UTC 版)
火災があった長崎屋尼崎店は、1970年(昭和45年)に開業した地上5階・地下1階の大型商業施設で、1988年(昭和63年)11月からは、ディスカウント業態の「Big-Off尼崎店」として営業していた。 同店では火災の前年に消防訓練を2度実施していたが、普段から火災報知器の誤作動が多発していたため、実際に起きた火災に際し、従業員の初動対応が遅れ、初期消火に失敗した。またスプリンクラーは、火災発生当時の消防法令の設置基準に基づき同店には設置されていなかったが、火災報知機を始め、防火扉、避難通路といった設備は、各法令の基準に従って適切に設置されていた。しかしながら、階段や防火扉、避難通路の前には、テレビ等の商品が入った段ボール(バブル経済による在庫確保最優先が背景にあったと見られる)が積み置かれており、階段を倉庫代わりに使っていた実態があった。これらの段ボール類が防火扉を遮る形になり、火災発生時に防火扉が全て閉まらず、火災によって発生した多量の煙を5階に蔓延させる結果となった。 避難経路上への段ボール類の積み置きは、非常事態発生時の障害となるため、尼崎市消防局が5度に渡って同店に指導を行っていた事が後に明らかとなっている。
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