幾何中心とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 幾何中心の意味・解説 

幾何中心

(幾何学的中心 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 07:23 UTC 版)

Centroid of a triangle

数学における幾何中心(きかちゅうしん、: geometric center, centroid)は、その図形に属する全ての点に亙ってとった算術平均の位置にある。この定義は任意の有限次元ユークリッド空間の任意の図形に対して一般化することができる。やや不正確な言い方だが、幾何中心はその点で図形をピン止めすればその図形が完全に釣り合うような点である。

初等幾何学において、「重心」("barycenter") が幾何中心の同義語として用いられるが、天文学天体物理学において 重心英語版 (barycenter) は互いを周る多数の天体成す系の重心(質量中心)として用いられ、また物理学において質量中心は(局所密度や比重量を重みとする)全ての点の重み付き算術平均を表している。考えている物理的対象が一様な密度を持つならば質量中心はその図形の幾何中心に一致する。

性質

凸図形の幾何中心は必ずその図形の内側に載っているが、凸でない図形の場合には図形の外部へ出る場合もある。例えば、アニュラス(環帯)やボウル形の幾何中心は、それら図形の中空部分にある。

幾何中心が定まるならば、それはその図形の対称性の群英語版に対するすべての対称変換に対する不動点英語版である。特に、図形の幾何中心はその各鏡像対称の不変超平面全ての交わりの上に載っている。多くの図形(正多角形, 正多面体, 円筒, 矩形, 菱形, 円周, 球面, 楕円, 楕円体, スーパー楕円, 超楕円体英語版, など)の幾何中心がこの原理だけで決定できる。

特に平行四辺形の幾何中心はその二つの対角線の交点であるが、ほかの四辺形ではそれは正しくない。

同じ理由から、不動点を持たない並進対称英語版図形の幾何中心は定義されない(か考えている空間の外にあるとする)。

重心の計算

k 個の点 x1, x2, xkRn の成す有限集合の幾何中心は

三角形の重心はその中線を 2 : 1 に分ける、つまり各辺から対する頂点へ結んだ距離の の位置にある。その各座標は三頂点の座標の算術平均になっている。つまり、三頂点 L = (xL, yL), M = (xM, yM), N = (xN, yN) に対し、幾何中心 C三角形幾何学ドイツ語版では C と書くのがふつう)は

三角形の各辺を重心からの垂線との交点で分割した時、分割後の長さの辺を持つ各正方形を図のように時計回りの順番の奇偶でグループ分けすると、グループ別合計面積は互いに等しくなっている。
  • 三角形の一辺を重心からの垂線との交点で分割した時、分割後の長さそれぞれの辺を持つ正方形同士の面積の差は、他の二辺それぞれの長さの辺を持つ正方形同士の面積の差の三分の一となっている。
  • 多角形の重心

    自己交叉を持たない閉多角形の重心は、その n 個の頂点を反時計回りに (x0, y0), (x1, y1), …, (xn−1, yn−1) とするとき、各座標が




    英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
    英語⇒日本語日本語⇒英語
      

    辞書ショートカット

    すべての辞書の索引

    「幾何中心」の関連用語

    幾何中心のお隣キーワード
    検索ランキング

       

    英語⇒日本語
    日本語⇒英語
       



    幾何中心のページの著作権
    Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

       
    ウィキペディアウィキペディア
    All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
    この記事は、ウィキペディアの幾何中心 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

    ©2025 GRAS Group, Inc.RSS