平行光源による影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/30 09:27 UTC 版)
点光源による影の場合の話を、点光源が「無限に遠い位置」にあるとして考えた場合が、平行光源による影である。無論、物理的には、点光源が無限遠方にあると、光のエネルギーはゼロとなり、投影像は生まれない。しかし、幾何学的には、平行な光の影を考えることができる。光源が非常に遠方にある場合、例えば、太陽の光などが造る影だと、近似的に、太陽が無限の遠方にあると考え、平行光源と見なすことができる。 先に、投影中心線とスクリーン平面の交わりが、直角かそうでないかによって、二つの場合があった。平行光源の場合、この二つのケースは、製図における「正投影」と「斜投影」に該当する。 スクリーン平面が、平行に進む光と直角に交わる場合(正投影の場合)物体の輪郭と、影の輪郭は合同で、歪みはなく、大きさにも違いはない。 スクリーン平面が、平行に進む光と斜めに交わる場合(斜投影の場合)この場合も、スクリーンには二つの方向ができるが、点光源の場合の影とは別の歪み方となる。物体の影は、この二つの方向で、幅に変化はなく、長さだけが、一定の比率で大きくなる。 夕方などになって、太陽の高度が低くなると、平面に近い地面にできる人の影などは、長く伸びた影となる。この影は、上の「斜投影」の場合に当たっており、影は、幅に変化は生じず、長さだけが大きくなる。その結果、人の影などは、長さを n倍しただけの歪みのない、「縦に伸びた姿」になる。 サーチライトなどの点光源で照らされた場合、地面にできる人の影は、遠く離れるほどに幅も大きくなって行くが、太陽が光源となって地面にできる影は、どこまで遠ざかっても、幅は一定である。平行光源によってできる影よりも、点光源による影の方が、より歪みが大きい。
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