常に正の曲率を保つ軌道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 07:57 UTC 版)
地球-月間の重力は太陽-月間の重力の半分ほどしか無く、月にとってみれば地球よりも太陽の重力の影響のほうが大きいのである。すなわち重力的には月も太陽の周りを公転していると言えるため、月は地球の衛星というよりも連星であるという指摘がある。実際、月の軌道は太陽に対して常に正の曲率を保っている。SF作家のアイザック・アシモフも、2つの天体それぞれについて、太陽を回る軌道が凸状軌道であれば二重惑星であるという定義に従って地球と月は二重惑星だとした。 地球と月はお互いの重心を公転し合っているため、両者が太陽を回る軌道はゆるやかな波状にふらつくが、太陽の重力の影響のほうが大きいため、その波形の曲がり具合は太陽を公転する軌道の円弧で相殺されてしまうほど小さい。結果として月の軌道も太陽方向に凸になることはなく、常に外側に凸な軌道であり、太陽のまわりを公転する惑星軌道と大差なく見える点で「双方を惑星と見なす」というイメージに合致する。ただしこの定義は一般的にはなっていない。そしてこの定義も2天体間の距離に依存し、さらにその惑星が公転している恒星との間の距離にも依存する。しかしこの定義であれば、主惑星の密度や自転速度には依存しない。なお、元より軌道のみを考慮した基準であるため、「大きさが似通う」というイメージには合致しない。
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