帰納法と再帰とは? わかりやすく解説

帰納法と再帰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/14 21:22 UTC 版)

整礎関係」の記事における「帰納法と再帰」の解説

整礎関係興味深い重要な理由は、それによって超限帰納法一種考えられることにある。すなわち (X, R) が整礎関係で P(x) が X の元に関す何らかの性質であるときに、 P(x) が X の「すべての元に対して満たされることを示すには、以下を示せば十分である。 x を X の元とするとき、y R x なる全ての y に対して P(y) が真であるならば P(x) は必ず真である。つまり、 ( ∀ x ∈ X ) [ ( ( ∀ y ∈ X ) ( ( y R x ) → P ( y ) ) ) → P ( x ) ] → ( ∀ x ∈ X ) ( P ( x ) ) {\displaystyle (\forall x\in X)\,[((\forall y\in X)\,((y\,R\,x)\to P(y)))\to P(x)]\to (\forall x\in X)\,(P(x))} が成り立つ。 このような整礎帰納法 (well-founded induction) は、エミー・ネーターにちなんネーター帰納法 (Noetherian induction) とも呼ばれることがある帰納法同様に整礎関係は超限再帰による対象構成保証する。(X, R) が集合的整礎関係で F が X の元 x と X の始切片 {y | y R x} 上の函数 g の組に対して対象 F(x, g) を割り当てる函数とすると、函数 G が一意的に存在して任意の x ∈ X に対して G ( x ) = F ( x , G | { y ∣ y R x } ) {\displaystyle G(x)=F(x,G\vert _{\{y\mid yRx\}})} が満たされる。つまり、X 上の函数 G を構成しようとするとき、G(x) を y R x なる y に対する値 G(y) を利用して定義することができる。 例として、整礎関係 (N, S) を考える。ここで N は自然数全体のなす集合で、S は後者函数 x → x + 1グラフとする。S 上の帰納法通常の数学帰納法であり、S 上の再帰原始再帰与える。順序関係 (N, <) からは完全帰納法 (complete induction) と累積帰納法 (course-of-values recursion) が得られる。 (N, <) が整礎関係であるという言明整列原理としても知られる。 ほかにも重要な整礎帰納法特別の場合がある。整礎関係として順序数全体のなす類上の通常の順序考えれば超限帰納法 (transfinite induction) と呼ばれる手法得られるし、整礎集合として再帰的定義されるデータ構造からなる集合をとれば、構造的帰納法 (structural induction) が考えられる。あるいは普遍上の帰属関係整礎関係選べば∈-帰納法として知られる帰納法定まる詳細は各項に譲る)。

※この「帰納法と再帰」の解説は、「整礎関係」の解説の一部です。
「帰納法と再帰」を含む「整礎関係」の記事については、「整礎関係」の概要を参照ください。

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