帰納の正当化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 01:24 UTC 版)
一方、確実性の根拠としての枚挙的帰納法による証明を試みようとすれば、論理的な困難が生じる。枚挙的帰納法によってなんらかの仮説を(蓋然的にではなく確実的に)正当化する場合、当の証明者は「全ての物事は、他に事情がない限り、いままで通り進んでいく」という斉一性の原理に従っている(自然の斉一性を参照されたし)。しかし、この原理を正当化するすべは(少なくとも枚挙的帰納法による証明のうちには)ない。 しかし、ある現象に関する理論が存在しないか確実でない場合には演繹は成立しない。そのような場合でも帰納は成立するので、帰納は新しい分野を開発し、新しい理論を模索する場では先ず仮説を立てるための方法として極めて重要である。自然科学では観察や実験が重視され、そこからさまざまな仮説が作られ、それがその分野の進歩の基礎となるが、そこから得られる判断は常に帰納的である。
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