巻名及びその並べ方の特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/03 20:43 UTC 版)
「源氏六十三首之歌」の記事における「巻名及びその並べ方の特色」の解説
本歌集での第1首目から第55首目までにおける巻名の並べ方は、基本的には現存の54帖からなる『源氏物語』と同じであるが、 「若菜」を上下2帖として数えている。 「雲隠」を1帖として数えている ため「夢浮橋」が第55帖目になっている。またこの他に、 「紅梅」が「竹河」の後にあり、通常と逆の順序になっている 橋姫が優婆塞の異名で呼ばれている といった特徴を持っている。本歌集の独自性とその価値は何よりも、その56首目以降に『源氏物語』の失われた巻名として伝えられているさまざまな巻名を読み込んでいることであり、『源氏物語』の巻数を63巻と伝えているところにある。 『源氏物語』の巻数は、1020年(寛仁4年)ころのことを1060年(康平3年)頃になって記したとされる『更級日記』の「五十よまき」にはじまり、現在と同じ54巻とする文献が最も多く、現在一般的に流布している青表紙本や河内本についても、その成立時から54巻という巻数であったと考えられている。また、近代以前には仏典の天台60巻になぞらえて60巻とするものが多く、60を超える巻数をあげる文献は絶無ではないものの非常に珍しく、本書のような「63巻」というのは他に例を見ないものである。
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