差異性の持つ経済的側面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 18:02 UTC 版)
「タウヒード」の記事における「差異性の持つ経済的側面」の解説
イスラーム世界において、全てのものが差異的であるという論理が基本となるのであれば、その経済的側面は、この世に一つとして等価のものは存在しないということになる。したがって、イスラーム世界の商取引は、伝統的に定価に基づく取引ではなく、交渉による取引が基本となる。 イスラームが仏教やキリスト教と違って根本的に異なる点は、もともと、イスラームというシステムの中に商取引がシステムとして組み込まれている宗教だということであり、貨幣経済とは切っても切れない関係を持つのであるが、貨幣は蓄積の手段となりうるがゆえに、あらゆるものを商品化した上で、等価性の原則に屈服させてしまおうとするのである。この論理に基づいていくのであれば、現在の経済システムは、確実に何らかの抑制が求められるわけである。 したがって、リバー(利子)や退蔵の禁止、投資はよくても投機の禁止がイスラームでは明確に意識化されるのである。その意識が具現化されたのが、イスラム銀行ということになる。
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