左右エンジン推力の不均等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 11:07 UTC 版)
「タロム航空371便墜落事故」の記事における「左右エンジン推力の不均等」の解説
調査により、元々事故機のエンジンには不具合が何度も起こっていたことが判明した。離陸後の上昇中に上昇推力に設定すると第1エンジンがアイドルになるということが報告されていた。メンテナンス後、1995年3月16日までは不具合は起こらなかった。また、FAAから入手した機体の記録によると、デルタ航空での運用中にも同様の不具合が起こっていたことが明らかになった。デルタ航空はタロム航空と同様のメンテナンスを行っていた。 開発元のエアバスは、このような不具合が発生することを認識していた。具体的には、オートスロットルが解除され、両方のエンジンの出力が阻害されるか、片方のエンジンがアイドルになる可能性があった。調査官はこの不具合の主な原因はスロットルとオートスロットルのカップリングユニットとの間に過大な摩擦が生じたことだと結論付けた。事故当時に発行されていたエアバスのFCOM(Flight Crew Operating Manual)には、この不具合の対処方法が記載されていなかった。しかし、タロム航空とスイス航空が発行していたFCOMには手順が記載されていた。 タロム航空では離陸時、パイロットのどちらか一方がスロットルレバーを手で抑えることで左右の推力差を均等に保つ処置を行なっていた。
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