就職氷河期世代と雇用形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/30 04:05 UTC 版)
「日本の雇用史」の記事における「就職氷河期世代と雇用形態」の解説
日本では就職氷河期が終わっても、他国と比べて就職氷河期終了後の新卒に恩恵がいきやすく、就職氷河期世代は就職で不利な状況におかれ続けるという点で違いがある。これは、日本の就職氷河期の発生原因がバブル崩壊等の不景気だけに留まらず、戦後に築かれた雇用システムである新卒主義(新卒一括採用制度と新卒至上主義)がある。 多くの企業は新卒主義を廃止しなかったため、新卒の就職率は高く、若者の失業率は低い一方で、新卒の段階で就職できなかった若者(職歴が無く即戦力になりえない人材)やリストラされた中高年労働者(人件費がかさむ人材)の多くは、たとえ就職氷河期が終わっても安定した仕事にありつくことが困難な状況に追いやられることとなった。そのため就職氷河期を被った世代は、バブル崩壊を境に社会の現状に適さなくなっていったシステムにより苦しめられている状況が起き、失われた世代(ロストジェネレーション)と呼ばれるようになった。 一時期は、様々な理由で非正規雇用に陥り、貧困に苦しむ中年層が注目されたが、再び就職氷河期が訪れたことにより中高年よりも新卒の方に注目が集まるようになり、新卒を中心とした雇用対策が主となり、前就職氷河期で不安定雇用に陥った人たち、人員削減でリストラされた中高年労働者にはさらに厳しい状況となっている。
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