小説化における脚色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 13:36 UTC 版)
世に知られた安寿・厨子王伝説をいかにして小説『山椒大夫』に仕立てたかを随筆「歴史其儘と歴史離れ」で鷗外自らが具体的に語っている。それによると、伝説の筋書きを基にしながら、登場人物の年齢から実際の年号を振り当て、そのうえで辻褄が合わない、あるいは鷗外の好みに合わない部分に小説的な脚色を加えていったと述べている。鷗外は小説化にあたり、安寿の拷問や山椒大夫が処刑される場面など、原話で聴かせ所として具体的に描写される残酷な場面はほとんど切り捨てている。また、賃金を支払うよう命じられた一家が、その後むしろ一層富み栄えたというのも森鷗外のオリジナルである。また、原作では焼印を押されてしまうが、森鷗外の山椒大夫では、夢の中の出来事として扱われており、お守りの地蔵に焼印が有ったとしている。
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