小説「夏の炎」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 08:08 UTC 版)
梁石日が文世光事件を題材にして、小説「死は炎の如く」を2001年に発表し後に「夏の炎」と改題され文庫化された。文をモデルにした在日の青年、宋義哲が主人公。70年代の大阪を舞台に、政治運動に身を投じる宋が、祖国へ思いを募らせながら謎の人物たちに導かれ、やがて学生時代の恋人と共に朴暗殺へと向かっていく。宋に目をつけ、大統領暗殺へと手引きする謎のグループの存在などフィクションと思われる要素を加えながらも、大阪の派出所から盗まれた拳銃で朴襲撃を実行に移すなどの実際の事件の詳細に沿ったストーリーが展開され、ベトナム戦争、朴政権とアメリカとの確執、金日成政権下の北朝鮮との関係、日本における政治運動や在日の人々の状況といった当時の国際関係や政治などを事件の背景に見ることができる。なお、梁石日は文世光に同胞として強い共感を抱いていると表明している。
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