対象とされた読者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 15:47 UTC 版)
キャロルが『スナーク狩り』を書くにあたり、子供の読者を対象にしていたか否かが議論されている。この詩にはいかなる子供も登場しない。雰囲気は暗いものであり、幸福な終わり方ではない。ベイカーの消失に加えて、バンカーが正気を失った様子が詳しく描写される。同じく、オリジナルの版に添えられたヘンリー・ホリディの挿絵は、『不思議の国のアリス』でのテニエルの挿絵と異なり、頭部をデフォルメした不快感を煽る戯画化を特徴としている。 しかしながら、キャロル自身はこの作品が何人かの子供らには受け入れられると確実に考えていた。ガートルード・チャタウェイ(1866年~1951年)は、アリス・リデル以降の、キャロルの人生の中で最も重要な「子供友達」であった。『スナーク狩り』の着想を与えたのはガートルードであり、本書はガートルードに捧げられている。キャロルは1875年の休日に、イギリスの海岸で9歳のガートルードと知り合った。『スナーク狩り』はその一年後に出版された。出版にあたり、キャロルは80冊のサイン入りの本をお気に入りの子供友達に贈った。伝統にのっとり、キャロルはそれらの本のサインに、子供達の名前をアクロスティックとして織り込んだ短い詩を添えた。
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