宮前発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 02:58 UTC 版)
宮川電気の当初計画では、宇治山田市内に宮川から取水する水力発電所を建設する予定であったが、宮川の発電所は結局解散まで建設されなかった。そして長く火力発電を電源とする状態が続いたが、三重合同電気設立直前になって初の水力発電所宮前発電所が完成をみた。所在地は飯南郡宮前村大字野々口(現・松阪市飯高町野々口、地図)で、宮川ではなく櫛田川に位置する。 宮前発電所は1921年(大正10年)12月に完成、翌1922年(大正11年)2月より発電を開始した。櫛田川に堰堤を築き、3.896立方メートル毎秒を取水、川の右岸に沿った約2.7キロメートルの水路によって28.6メートルの有効落差を得て発電するという仕組みである。出力は832キロワットで、日立製作所製のフロンタル型フランシス水車・発電機各1台を備えた。発生電力は下流の波多瀬発電所(三重共同電力により1921年12月運転開始)の電力とともに宇治山田市内の船江変電所へと送電される。 三重合同電気に引き継がれた後は東邦電力、中部配電と移り1951年以降は中部電力の所属となっている。
※この「宮前発電所」の解説は、「宮川電気」の解説の一部です。
「宮前発電所」を含む「宮川電気」の記事については、「宮川電気」の概要を参照ください。
- 宮前発電所のページへのリンク