実数におけるコーシー列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:18 UTC 版)
「コーシー列」の記事における「実数におけるコーシー列」の解説
しかし、実数の重要な性質の一つとして、実数全体の集合 R におけるどのようなコーシー列も必ず R 内に極限値を持つことが挙げられる。実数からなるどんなコーシー数列も収束列であるという事実は、歴史的な事情で「実数の連続性」と呼ばれる。したがって、実数列あるいは実ユークリッド空間内の点列のみに関して言うならば、それが収束することとコーシー列であることは同値となる。この場合であれば、コーシー列は必ず収束するので、|xn − xm| を評価してコーシー列か判定すれば、極限値を仮定することなく収束性が判定できる。また本質的に同じことだが、級数の収束性を和を仮定せずに判定することもできる。このように実数列がコーシー性を持つか否かをその収束性の判定に用いるとき、コーシーの収束判定基準という。収束の定義に基づいて点列 (xn) の収束性を判定する場合、極限値 x を推定した上で |xn − x| を評価する必要がある。つまりこの方法で収束するかどうか調べるためには、その前に極限値が分からなければならないのであるが、コーシーの方法ならば極限値の推定は不要であるという利点がある。
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