実数のアルキメデス性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 18:56 UTC 版)
「アルキメデスの性質」の記事における「実数のアルキメデス性」の解説
実数のなす体は順序体としてもノルム体としてもアルキメデス性を持っている。これは有理数の体系が通常の順序とノルムについてアルキメデス性を持ち実数がその完備化として得られることから従う。 実数はアルキメデスの性質に関して順序体の中で、以下の意味で普遍性を持っている:任意の完備なアルキメデス的順序体は実数の順序体に同型になる。公理的なアプローチに立てば無限小の実数がないことは以下のようにしてしめすこともできる。Aを0より大きい無限小の数全体の集合とする。これはとくに1を上界に持っているが、空集合でなかったとすると、正の最小上界 c があることになる。このとき c より真に大きい 2c は無限小ではあり得ないことになるが、いっぽうでcより真に小さい c / 2は無限小でなければならない。#順序体における定義節の注意によればこれは矛盾である。 直観論理などに基づき構成的な実数のみを認める体系では、無限小の数全体の集合の様に非構成的に与えられた集合の最小上界の存在は保証されないが、それでも(有理数のアルキメデス性により)実数のアルキメデス性は成り立っていることに注意。
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