実効デュレーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/12 01:01 UTC 版)
「デュレーション」の記事における「実効デュレーション」の解説
実効デュレーションは連続複利利回りの微小変化に対する価格の変化の大きさとして定義される。利付債を例に説明する。利付債のキャッシュフローを、金額 C i {\displaystyle C_{i}} と時点 T i {\displaystyle T_{i}} であらわす。時点 T i {\displaystyle T_{i}} までの連続複利利回りを y i {\displaystyle y_{i}} として、 Δ T i = T f − T i {\displaystyle \Delta T_{i}=T_{f}-T_{i}} とおくと、この債券の現在価値 P {\displaystyle P} は以下のように与えられる。 P ( y i ) = ∑ i C i e − y i Δ T i {\displaystyle P(y_{i})=\sum _{i}C_{i}e^{-y_{i}\Delta T_{i}}} 実効デュレーション D {\displaystyle D} は、以下のように定義される。 ∂ P ( y i + y ) ∂ y | y = 0 = − D ⋅ P {\displaystyle {\frac {\partial P(y_{i}+y)}{\partial y}}|_{y=0}=-D\cdot P} 利付債の場合、実効デュレーションは以下のようになる。 D = ∑ i Δ T i C i e − y i Δ T i P {\displaystyle D=\sum _{i}\Delta T_{i}{\frac {C_{i}e^{-y_{i}\Delta T_{i}}}{P}}} これはそれぞれのキャッシュフローの残存期間を現在価値により加重平均したものに等しい。この形式で表現されるデュレーションはマコーレー・デュレーションと呼ぶ。利付債のように確定的なキャッシュフローをもつ証券では、実効デュレーションはマコーレーデュレーションに等しい。 プット条項付の債券など、オプションを内包する債券の価格の金利に対する感応度は、マコーレー・デュレーションや修正デュレーションではなく、実効デュレーションを用いて分析する必要がある。実効デュレーションの評価はしばしば以下のような離散近似が用いられる。 D e f f = P − Δ y − P + Δ y 2 ( P 0 ) Δ y {\displaystyle D_{eff}={\frac {P_{-\Delta y}-P_{+\Delta y}}{2(P_{0})\Delta y}}} ここで Δ y {\displaystyle \Delta y} は利回りの変化量、 P − Δ y {\displaystyle P_{-\Delta y}} と P + Δ y {\displaystyle P_{+\Delta y}} は利回りがy下降あるいは上昇したときの債券価格である。
※この「実効デュレーション」の解説は、「デュレーション」の解説の一部です。
「実効デュレーション」を含む「デュレーション」の記事については、「デュレーション」の概要を参照ください。
- 実効デュレーションのページへのリンク