天気の変化と巻雲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 06:54 UTC 版)
青空の広がった好天が転じて天気が崩れるとき、他の雲より先に、最初に現れることが多い。温暖前線や低気圧、台風が接近してくるとき最初に現れる。 濃い巻雲や多様な形の巻雲が広がるのは上空の湿度が高まっている証で、その後、雲が増えて巻層雲、高層雲、乱層雲と低い雲に変化していき、雨が降りだすことがある。これは古くから知られており、すじ雲が空一面に広がると雨が近いといった言い伝え(気象伝承)がある。 温暖前線の場合、寒気と暖気の衝突する前線面が南(北半球の場合。厳密には低緯度側)や東(中緯度の場合。西の場合もある)にいくほど上空の高い地点になってくる。雲は前線面付近にできるため、最も高い高度にできる巻雲が最初に現れるのである。熱帯低気圧の場合、大気の上空で低気圧から周囲に湿暖気流が吹き出しているが、気流の末端部分に巻雲ができるためである。 ただ、巻雲が見られるような段階では、その後少なくとも数時間は晴天が続くと考えられ、すぐに雨が降る心配は少ない。ある統計によれば、巻雲が現れてから雨になるまでの時間は12時間から24時間程度だったという。
※この「天気の変化と巻雲」の解説は、「巻雲」の解説の一部です。
「天気の変化と巻雲」を含む「巻雲」の記事については、「巻雲」の概要を参照ください。
- 天気の変化と巻雲のページへのリンク