大橋洋一 (文学研究者)とは? わかりやすく解説

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大橋洋一 (文学研究者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 13:37 UTC 版)

大橋 洋一(おおはし よういち、1953年11月12日 - )は、日本英文学者翻訳家東京大学名誉教授。

略歴

名古屋市生まれ。 愛知県立明和高等学校卒業。1976年東京教育大学文学部卒業。 1979年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、同大学助手、1981年中央大学専任講師、1983年学習院大学文学部専任講師、1985年助教授、1994年教授、1996年東京大学大学院人文社会系研究科助教授、1999年教授。2019年定年退任、名誉教授となる。 2007年から2009年日本英文学会会長。

本来の専攻はシェイクスピア

筒井康隆の『文学部唯野教授』に材料を提供したとされ、そのモデルとも言われる。研究対象は次第にフェミニズム、ゲイ文学、サイードなど左翼的な方向に移る。イーグルトン『クラリッサの凌辱』の訳者解説では、西部邁による『屋根裏の狂女』の書評が朝日新聞に載ったことを非難し、最近では前英文学会会長の高橋和久が、サイードがいたためにナイポールの評価が遅れたと発言したことを批判している(『文学』2002年11・12月号)。

著書

  • 『新文学入門 - T・イーグルトン『文学とは何か』を読む』(岩波書店) 1995

編著

  • 『現代批評理論のすべて』(新書館) 2006
  • 『文学理論の名著50』(三原芳秋共編、平凡社) 2025

翻訳

  • 『メタシアター』(ライオネル・エイベル、高橋康也共訳、朝日出版社) 1980
  • 『SF - 稼動する白昼夢』(パトリック・パリンダー、勁草書房) 1985
  • 『政治的無意識 - 社会的象徴行為としての物語』(フレドリック・ジェイムソン、木村茂雄, 太田耕人共訳、平凡社) 1989
  • 『差異の世界 - 脱構築・ディスクール・女性』(バーバラ・ジョンソン、紀伊國屋書店) 1990
  • 『SFの変容 - ある文学ジャンルの詩学と歴史』(ダルコ・スーヴィン、国文社) 1991
  • 『現代批評理論 - 22の基本概念』正・続(フランク・レントリッキア, トマス・マクローリン編、篠崎実, 細谷等, 正岡和恵, 利根川真紀共訳、平凡社) 1994 - 2001
  • 『ゲイ短編小説集』(オスカー・ワイルドほか、平凡社ライブラリー) 1999
  • 『帝国との対決 - イクバール・アフマド発言集』(イクバール・アフマド、大貫隆史, 河野真太郎共訳、太田出版) 2003
  • 『ボーヴォワール - 女性知識人の誕生』(トリル・モイ、片山亜紀, 近藤弘幸共訳、平凡社) 2003
  • 『博物学のロマンス』(リン・L・メリル、照屋由佳共訳、国文社) 2004
  • 『エドワード・サイード』(ビル・シュクロフト, パル・アルワリア、青土社) 2005
  • クィア短編小説集 : 名づけえぬ欲望の物語』(A・C・ドイル, H・メルヴィルほか監訳、利根川真紀, 磯部哲也, 山田久美子訳、平凡社ライブラリー) 2016
  • 『分かれ道 ユダヤ性とシオニズム批判』(ジュディス・バトラー、岸まどか共訳、青土社) 2019

テリー・イーグルトン

  • 『文学とは何か - 現代批評理論への招待』(テリー・イーグルトン岩波書店) 1985、岩波文庫 上下 2014
  • 『批評の政治学 - マルクス主義とポストモダン』(イーグルトン、黒瀬恭子, 岩崎徹共訳、平凡社) 1986
  • 『クラリッサの凌辱 - エクリチュール, セクシュアリティー, 階級闘争』(イーグルトン、岩波書店) 1987、岩波モダンクラシックス 1999
  • 『批評の機能 - ポストモダンの地平』(イーグルトン、紀伊國屋書店) 1988
  • 『イーグルトンのブロンテ三姉妹』(イーグルトン、晶文社) 1990
  • 『シェイクスピア - 言語・欲望・貨幣』(イーグルトン、平凡社) 1992、平凡社ライブラリー 2013
  • 『イデオロギーとは何か』(イーグルトン、平凡社) 1996、平凡社ライブラリー 1999
  • 『反逆の群像 - 批評とは何か』(イーグルトン、小澤英実共訳、青土社)2008
  • 『学者と反逆者 - 19世紀アイルランド』(イーグルトン、梶原克教共訳、松柏社) 2008
  • 『批評とは何か イーグルトン、すべてを語る』(イーグルトン/聞き手マシュー・ボーモント、青土社) 2012 
  • 『アメリカ的、イギリス的』(イーグルトン、吉岡範武共訳、河出ブックス) 2014
    • 改題『アメリカ人はどうしてああなのか』河出文庫 2017
  • 『文学という出来事』(イーグルトン、平凡社) 2018
  • 『文化と神の死』(イーグルトン、畑江里美訳、青土社) 2021
  • 『希望とは何か オプティミズムぬきで語る』(イーグルトン、岩波書店) 2022
  • 『悲劇とは何か』(イーグルトン、平凡社) 2025.8

エドワード・サイード

  • 『知識人とは何か』(エドワード・W・サイード、平凡社) 1995、のち平凡社ライブラリー 1998
  • 『音楽のエラボレーション』(サイード、みすず書房) 1995
  • 『文化と帝国主義』1 - 2(サイード、みすず書房) 1998 - 2001
  • 『故国喪失についての省察』1 - 2(サイード、近藤弘幸, 和田唯, 大貫隆史, 貞廣真紀共訳、みすず書房) 2006 - 2009
  • 『サイード自身が語るサイード』(サイード, タリク・アリ、紀伊國屋書店) 2006
  • 『権力、政治、文化 - エドワード・W・サイード発言集成』上・下(サイード, ゴーリ・ヴィシュワナタン、三浦玲一, 坂野由紀子, 河野真太郎, 田村理香共訳、太田出版) 2007
  • 『晩年のスタイル』(サイード、岩波書店) 2007

脚注


外部リンク




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