大意の事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/08 08:48 UTC 版)
『源氏物語』の主題について、上巻の後半部から下巻の前半部分にかけて本書の中で最も分量を割いて論じられている。最初にそれまで主流であった仏教思想や儒教思想に基づいて『源氏物語』を理解しようとする姿勢を批判し、『源氏物語』は勧善懲悪の書であるとの論を否定している。次に『源氏物語』の本文中の「物語」について触れた部分を挙げ、そこに何が書かれているのかを調べて『源氏物語』が「物語」をどうとらえているのかを探っている。特に蛍の巻において光源氏が玉鬘にたいして語っている「日本紀にはたいしたことは書いていない。物語にこそ本当のことが書いてある」との論を重要視している。これについては虚構の設定の中で本当に主張したいことを述べようとしているとして、鈴木日出男などが主張する物語虚構論につながるものであるとの見解もある。そのような考察の結果『源氏物語』の本意を「もののあわれ」であるとしている。
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