大和紡績 (2009年設立の企業)
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本社が入居するJRE御堂筋ダイワビル
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| 種類 | 株式会社 |
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| 機関設計 | 監査役会設置会社 |
| 略称 | 大和紡、ダイワボウ、Daiwa Spinning |
| 本社所在地 | 〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町3-6-8 JRE御堂筋ダイワビル |
| 設立 | 2009年7月1日 |
| 業種 | 繊維製品 |
| 法人番号 | 4120001138798 |
| 代表者 | 野間靖雅(代表取締役社長) |
| 資本金 | 35億45百万円 |
| 従業員数 |
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| 決算期 | 3月31日 |
| 主要株主 |
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| 主要子会社 | #グループ企業参照 |
| 外部リンク | https://www.daiwabo.co.jp/ |
| 特記事項:東京本社:〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町12-20 日本橋T&Dビル | |
大和紡績株式会社(だいわぼうせき、英: Daiwabo Co., Ltd.)は、大阪府大阪市中央区と東京都中央区に本社を置く日本の繊維メーカーである。
本項では、2009年7月に大和紡績株式会社(初代、現・ダイワボウホールディングス)の繊維事業子会社を統括する中間持株会社として設立された、2代目の大和紡績株式会社について説明する。初代の大和紡績株式会社についてはダイワボウホールディングスを参照のこと。
概要
2006年1月に純粋持株会社に移行した[1]大和紡績株式会社(初代)は、2009年に上場子会社であったダイワボウ情報システム(DIS)と経営統合したうえでダイワボウホールディングス株式会社(ダイワボウHD)に商号変更すると共に、繊維事業子会社(ダイワボウノイ、ダイワボウポリテック、ダイワボウプログレスなど)を統括する中間持株会社として大和紡績株式会社(2代目)を設立した[2][3]。
2020年4月にダイワボウノイ、ダイワボウポリテック、ダイワボウプログレス、ダイワボウエステート、ダイワボウアソシエを吸収合併し、事業持株会社に移行した[4][注 1]。
しかし、DISを中核とするITインフラ流通事業がグループ連結売上高の9割を占める中、国内の人口減少による繊維業界の低迷もあり、大和紡績は2023年3月期で627億円の売上高を上げるも、グループ連結売上高の1割にも満たず、売上高営業利益率もわずか2.2%にとどまる状況となっていた[6][7][8]。 その中で、ダイワボウHDは2023年5月15日に発表した「次期中期経営計画策定に向けた重点検討事項と検討体制について」において、繊維事業について「企業価値最大化に向けた戦略的選択肢としてグループからの独立化を検討中」としており、大和紡績を交えた具体的な協議を開始していたことを公表した[9]。 その結果、大和紡績のさらなる成長には「積極的な研究開発、大規模な設備投資などを含む機動的な経営の意思決定が必要」と判断し、企業価値向上に向けて「当社(ダイワボウHD)に代わるベストオーナーの選定が必要」との結論に達した[10]。
同年11月22日、ダイワボウHDは大和紡績の発行済株式1億793万2163株のうち、85%にあたる9174万2339株を、国内投資ファンドのアスパラントグループの特別目的会社である株式会社アスパラントグループSPC11号に95億4000万円で譲渡することを発表した[10][11]。株式譲渡実行日は当初2024年1月18日としていたが、同年1月17日に「同年2月から3月」に変更となり[12]、最終的に同年3月27日に株式の譲渡が完了し、ダイワボウHDは祖業である繊維事業から事実上撤退した。なお、株式譲渡実行日の変更に伴い、譲渡金額は91億8000万円に変更されている[13]。 なお、従業員および取引先に対する配慮から、ダイワボウHDは当面の間15%の株式を保有する[6][10]。
ダイワボウHDから独立後の大和紡績は、アスパラントグループの協力を得て、数年後のIPO(株式の新規上場)を目指すとしている[8]。
年表
- 2009年7月1日 - ダイワボウホールディングスの繊維部門の中間持株会社として設立。
- 2020年
- 4月1日 - ダイワボウノイ株式会社、ダイワボウポリテック株式会社、ダイワボウプログレス株式会社、ダイワボウエステート株式会社、ダイワボウアソシエ株式会社を吸収合併し、事業持株会社化。
- 8月25日 - コーポレートロゴを刷新[14]
- 2024年3月27日 - ダイワボウホールディングスが大和紡績の株式の85%をアスパラントグループ株式会社の特定目的会社である株式会社アスパラントグループSPC11号に譲渡。
事業所
- 本社(大阪市中央区)
- 本社が入居する「JRE御堂筋ダイワビル」は元来は旧大和紡績の自社ビル(1991年9月竣工)であったが、2002年2月にジャパンリアルエステイト投資法人に売却し、賃貸契約を結んだ上で引続き本社社屋としている[15][16]。ダイワボウHDの本社は2022年8月にDISの本社がある中之島フェスティバルタワー・ウエストに移転した[17]。
- 東京本社(東京都中央区)
- 合繊事業本部(旧・ダイワボウポリテック)
- 産業資材事業本部(旧・ダイワボウプログレス)
- 技術・開発本部
- 播磨研究所(兵庫県加古郡播磨町)
- かつて稼働した工場
グループ企業
国内子会社のみ記載。
- ダイワボウレーヨン株式会社(大阪市中央区) - レーヨン製品の製造販売
- カンボウプラス株式会社(大阪市中央区) - 重布・テント材の製造販売
- ダイワボウアドバンス株式会社(東京都中央区) - 衣料品の製造販売
- ダイワボウエンジニアリング株式会社(島根県益田市) - 建設、プラントの設計監理
- ダイワボウライフサポート株式会社(大阪市中央区) - 保険代理業
過去のグループ企業
- ダイワボウオーシャンテック(島根県出雲市) - 基板実装および電子製品の組立事業をおこなっていたが、2015年3月末をもって解散した[19]。
- 赤穂国際カントリークラブ(兵庫県赤穂市) - ダイワボウエステートの子会社(大和紡績の孫会社)であったが、2018年1月に市川ゴルフ興業に譲渡[20]。
- 大和紡観光(鹿児島県霧島市) - 「霧島国際ホテル」を運営していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を起因とする業績低迷により2021年5月20日で一旦閉館した。その後マイステイズ・ホテル・マネジメントが運営を受託し同年6月1日より営業を再開している[21]。法人については同年5月26日に「霧島国際ホテルマネジメント株式会社」に商号変更後解散し、2025年8月5日付で登記簿が閉鎖されている[22]。
- 西明(東京都墨田区) - 2021年10月1日付でダイワボウアドバンスに吸収合併[23]。
- ダイワボウスピンテック(島根県松江市) - 2025年3月31日付で解散[24]。
脚注
注釈
出典
- ^ 『会社分割による持株会社移行に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大和紡績株式会社(初代)、2005年5月18日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『商号の変更に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大和紡績株式会社(初代)、2009年5月13日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『子会社の異動(設立)に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大和紡績株式会社(初代)、2009年5月13日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『(開示事項の変更)子会社の合併に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2019年10月24日。2025年11月7日閲覧。
- ^ 『当社と子会社間の会社分割(簡易・略式吸収分割)並びに孫会社の合併及び商号変更に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2019年7月25日。2025年11月12日閲覧。
- ^ a b “ダイワボウHD、祖業の繊維事業から撤退 大和紡績売却へ”. 日本経済新聞 (株式会社日本経済新聞社). (2023年11月22日) 2025年11月7日閲覧。
- ^ 重道武司 (2023年11月30日). “ダイワボウHDの繊維事業売却は「英断か」…企業にとって祖業はお荷物なのか?”. 日刊ゲンダイDIGITAL (株式会社日刊現代) 2025年11月7日閲覧。
- ^ a b “大和紡績 企業価値高め、数年後にIPO 研究開発、設備投資で成長加速へ”. 繊研新聞 (株式会社繊研新聞社). (2023年11月24日) 2025年11月12日閲覧。
- ^ 『次期中期経営計画策定に向けた重点検討事項と検討体制について』(PDF)(レポート)ダイワボウホールディングス株式会社、2023年5月15日。2025年11月7日閲覧。
- ^ a b c “ダイワボウHDが大和紡績を独立化 投資会社に発行済み株式の85%を譲渡”. 繊研新聞 (株式会社繊研新聞社). (2023年11月22日) 2025年11月7日閲覧。
- ^ 『連結子会社(特定子会社)の異動(株式譲渡)に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2023年11月22日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『連結子会社(特定子会社)の株式譲渡予定日変更に関するお知らせ』(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2024年1月17日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『(開示事項の経過)連結子会社(特定子会社)の株式譲渡完了に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2024年3月27日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『大和紡績 新ロゴマークの制定について』(プレスリリース)大和紡績株式会社、2020年8月25日。2025年11月13日閲覧。
- ^ “御堂筋ダイワビルを信託受益権化し売却/ダイワボウ”. 繊維ニュース (ダイセン株式会社). (2002年2月21日) 2025年11月7日閲覧。
- ^ “JRE、「御堂筋ダイワビル」取得へ”. R.E.port. (株式会社不動産流通研究所). (2002年2月20日) 2025年11月7日閲覧。
- ^ 『本社事務所移転に関するお知らせ』(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2022年6月29日。2025年11月7日閲覧。
- ^ “大和紡績和歌山工場 今月末で生産終了”. 日高新報 (株式会社日高新報社). (2021年6月19日) 2025年11月7日閲覧。
- ^ 『子会社の解散に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2015年1月27日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『連結子会社(孫会社)の異動(株式譲渡)に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)ダイワボウホールディングス株式会社、2017年10月26日。2025年11月12日閲覧。
- ^ “霧島国際ホテル、閉館予定から一転 営業へ”. 日本経済新聞 (株式会社日本経済新聞社). (2021年5月21日) 2025年11月7日閲覧。
- ^ “霧島国際ホテルマネジメント株式会社の情報”. 法人番号公表サイト. 国税庁. 2025年11月7日閲覧。
- ^ 『子会社間の合併に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大和紡績株式会社、2021年5月18日。2025年11月12日閲覧。
- ^ 『官報 令和7年号外 第74号』(レポート)2025年4月1日、38頁。
外部リンク
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