外見上のあり方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 05:33 UTC 版)
日本の広葉樹林で、林の中に入って上を見れば、ほぼ全面が木の葉に覆われているのがわかる。よく発達した森林の場合、林の木の高さはある程度揃っている。 広葉樹は、単独で育った場合には、ほぼ真っすぐに上に向いた幹のあちこちから横に枝を出し、その先に小枝を広げて多数の葉をつける。種類によっても異なるが、それは横から見れば、幹の中程から上を覆う、丸や楕円形の囲いのような形になる。しかし、森林の中にあれば、隣接する高木と接して、上の面しか光が当たらないので、幹の上の方に枝葉が集中する。単独で横から見れば、幹の上の方に傘をかぶったような形である。常緑樹林(照葉樹林)では特に上の面に枝葉が集中するので、外から見ると、森は多数の傘型の盛り上がりが並んだように見える。 どのような森林でも、上記のような林冠があるかと言えば、そうではない。サバンナのような疎林であれば、はっきりした層は見られないし、熱帯多雨林では、逆に林冠を突き抜けてそのうえに出る超高木層が見られる。はっきりした狭い層が見られるのは、森林が発達可能ではあるが、やや厳しいところである。つまり、冬のある日本においては、この層より上に抜き出て生活するのが植物にとって困難だということである。海岸林では、さらに樹高が揃い、林冠は非常に滑らかな外見をなす。
※この「外見上のあり方」の解説は、「林冠」の解説の一部です。
「外見上のあり方」を含む「林冠」の記事については、「林冠」の概要を参照ください。
- 外見上のあり方のページへのリンク